施設・公共工事の施工実績

施設

公社営畜産基地

head_img1
邑智郡美郷町、島根中央地区公社営畜産基地の施工に携わりました。

畜舎の建築には、全て地元産の杉材を使用しています。飼育規模は2,900頭。和牛飼育では、単体の農場として全国最大級の規模になります。精肉は「出雲香味牛」のブランド名で販売し、大手食肉メーカーの流通経路で、関東地方を中心にスーパーの店頭に並んでいます。
※平成17年4月1日-日刊木材新聞より

島根県内の畜産農場で地元の杉を使った大型の畜舎の建設が進められている。畜舎は間口26メートル、奥行き80メートル、高さ10メートルの巨大なもの。邑智郡(現美郷町)内の現場で4棟同時に建設中。

材料はカラマツの防腐注入剤23.5立方メートルを土台に使った以外はほとんど地元の杉を使用。使ったスギの材積は540立方メートルにも上る。柱は10.5センチ角7.5メートル長。屋根勾配を構成する桁には12×24センチ7メートル長の材を2本継ぎしたものなど、通常の原木市場を経た流通では揃わないものが多い。

今回の工事を担当し、畜舎施工を数多く手がけている藤井工務店(島根県大田市)の藤井克巳専務は「以前の畜舎は鉄構造か、木造でも米松を使うのがほとんど。今回は杉で若干材料寸法を大きくした。8メートル長の丸太が供給されることがわかったのでできた」と杉材で建築した経緯を話す。

材料を供給した竹下木材(島根県大田市、竹下三樹夫社長)は昨年、長物の直材が取れる杉林を山ごと購入し、自社で3ヶ月にわたって製材して納入した。「米松との材料コストの比較では7メートルなど長物別注サイズの単価が丸太の段階で有利だった上、梁の接合部に用いた5×12センチ5メートルや4.5×10.5センチの6.5メートルなど側材で挽いた製品の用途があったのでその分、安くできた」(竹下哲史常務)。藤井・竹下両社長は以前地元で国産材の普及方法を検討した会議のメンバー。今回の畜舎建築によって、米松との比較でこれまで不利だった長物対応を行うことにより、杉にも十分採用の余地があることを実践して示した。

一般住宅についても「3.4メートル材を継ぎ手加工して使うよりも、丸太で長材を供給できればコスト面でも十分使える。通直な杉は特に有望」と建築をする立場で素材生産者からの供給体制整備を提言している。
scroll-to-top