リフォームあれこれ

家族構成別のリフォーム

住宅購入から出産、子供の結婚、老後まで、家族構成やライフスタイルの変化に沿った住まいのリフォームポイントや増改築のコツなどをご紹介します。

30代

マイホームを購入する夫婦が増え始める年代です。

子供が小学校に通う時期になると、少しずつ自我が芽生え、求める場の領域も広くなっていきます。しかし、小学生のうちは、完全な個室を与えるには早すぎます。基本的には、家族と一緒に過ごし、自然に社会生活の基礎を学んでいける環境づくりが大切です。また子供部屋は勉強部屋であるとともに遊び場でもあります。友達などを呼んで遊ぶための部屋にもなるため、他人のお子さんを安心して預かれるよう、親の目の届く範囲で、適度な広さを持つ部屋が必要になります。子供部屋は完全な個室ではなく、「開放的な個室空間」を確保するイメージで作るようにします。そこで、未利用の空間を有効活用したリフォームを行いましょう。

ポイント

ロフトを作る
天井の高さがある住宅では、リフォームでロフトを作って子供部屋にしてみるのも良いでしょう。ロフトを作る場合、最高の内法の高さが1.4m以下で面積が階の2分の1以下であれば、階として数えなくてよいとの法改正がありました。子どもが成長し、子ども部屋として使わなくなった場合は収納スペースとして活用できます。
和室を洋室の子ども部屋に
和室を洋室にリフォームし、押し入れをクローゼットにします。子ども部屋にクローゼットがあると、さまざまな小物(本・マンガ、おもちゃ、衣類など)をきちんと片付けることができ、すっきりとした広い空間を確保することができます。
吹き抜けを作る
吹き抜けは2階の一部の床をなくして、2階と1階の空間を縦に開放するものです。リビングの上部を吹き抜けにし、2階に子ども部屋を増築すれば、上下階でコミュニケーションをとることができます。リビングでくつろぎながら、2階の子どもの様子を観察することもできます。

40代

家族それぞれの生活スタイルを尊重。

受験期はちょうど子どもの思春期にあたります。とてもナーバスになりやすい時期なので、子どもが勉強に集中できるとともに、孤立しないような部屋づくりが大切です。今まで兄弟でひと部屋だった場合は、可動式の間仕切りや収納家具などで2部屋に仕切り、適度にプライベートが守られる空間を作るようにします。ただし、受験期における子ども部屋の問題はあくまでも一時的なものなので、リフォームする際は、受験期が終わってからも活用できるフレキシブルな空間にしておきたいものです。子ども部屋を設ける場合、比較的広い部屋を増築し、そこを間仕切りなどで部屋を2つに分けるようにします。子ども部屋を増築する際の配置は、リビングを通らなくても風呂やトイレ、キッチンなどに行けるように工夫します。また防音や室内温度などの環境面での配慮も必要です。

ポイント

間仕切りの活用
子供部屋が1部屋しかない場合は、「間仕切り」で部屋を2部屋に分けます。棚や収納を間仕切り変わりにする、あるいは移動型の間仕切りや、開閉可能な間仕切りを使用してみましょう。
防音対策
深夜のトラックの音をはじめとする屋外の雑音、家族が動く時の物音、声が気にならないよう、子供部屋の壁・床材は防音機能が施されたものを取り入れたほうが良いでしょう。もちろん、これらの素材は低ホルムアルデヒドなどの、健康面でも効果の高いものを選びます。
勉強できる環境づくり
子供部屋における室内温度は重要です。暖かすぎると眠くなり、寒すぎると集中できません。最も理想的なのは、足元が暖かく頭は涼しい環境です。将来のことを考えて、子供部屋に床暖房を取り入れるなど、集中力アップのための設備を考えてみましょう。

自分だけの部屋を作る

最近は、リフォームで大人のための個室を設ける例が増えてきています。個室の設け方は目的によって異なります。家でも仕事ができるようにSOHO(Small Office Home Office)が必要な場合と、自分の趣味を楽しむための部屋が必要な場合とでは、部屋を作る場所や環境なども様々です。SOHO(Small Office Home Office)の場合は、仕事の息抜きが適度にできるようにリビングや寝室と隣接させて作るのが適していますし、自分の趣味を楽しむ場合なら地下室や屋根裏に、また、自然と触れ合う時間を大切にするならば庭に「離れ」を作るなどして、自分の時間にひたれる空間づくりを心がけます。

50代

新しい家族の関わりが生まれてくる年代です。

子どもが成長し家から独立すると、急に淋しくなり夫婦の関係もうまくいかないようになってしまうケースが多いといわれています。子どもの独立後は、夫婦2人が快適に暮らせる住まいづくりを心がけたいものです。たとえば子ども部屋だった空間を書斎にしたり、友人・知人を呼べるようにリビングやダイニングを広くする、キッチンは、コミュニケーションが楽しめるよう対面式にするなど、ちょっとした工夫を施すと豊かな老後を楽しめる住まいになるはずです。このような環境を整えておくと、独立した子供が孫を連れて帰省する際にもよいでしょう。また、老後に備えて早めにバリアフリー対策を行っておきましょう。大きな段差だけでなく、現在は気にならない小さな段差や滑りやすさなど、細かな部分への配慮が必要になります。手すりをつける、浴槽を低くする、階段の段差を低くするなどもリフォームのポイントになります。

ポイント

趣味の部屋を作る
子どもの独立後、子ども部屋が物置になっているのはよくあるケースです。そのままクローゼットとして活用するのも良いですが、その空間を書斎や自分の趣味の部屋としてリフォームしてみませんか。洋室を和室に、和室を洋室にして、趣味が楽しめる空間づくりをしてみましょう。
憩いの空間作り
老後に備え、キッチンへの移動・導線などを考慮したLDK(リビングダイニングキッチン)を採用してみるのも良いでしょう。リビング、ダイニング、どちらへの移動距離を同じぐらいにするにはキッチンをリビングとダイニングの中間に設けます。また独立した子どもが孫を連れて帰省した際に、大勢で楽しめる空間を作るには、カウンターキッチンに代表されるセミオープン型か、仕切りのないオープン型のキッチンが最適です。
安全対策
階段の昇り降りは、年齢が高くなればなるほど大変になってきます。リフォームの際には、階段のみならずトイレ・浴室などに手すりを設置するようにしましょう。また夜中にトイレへ行く時、足元が見えやすいように、自動で点灯・消灯する足元灯を設けておくと便利です。

2世帯住宅

2世帯住宅は、生活スタイルの異なる世帯が同じ家屋に住むスタイルです。同居する世帯が息子夫婦か娘夫婦かによって、住まいのスタイルが変わってきます。それぞれの世帯のライフスタイルに合わせた2世帯住宅のタイプを考えましょう。

2世帯住宅には、大きくわけて4つのタイプがあります。
共用タイプ
玄関はひとつで世帯ごとの生活スペースによって住み分ける。
内階段タイプ
1階に玄関が2つあり、2世帯それぞれが上下で住みわける。上下の行き来は内階段で行う。
外階段タイプ
1階2階にそれぞれ玄関を設け、2階には外階段であがる。
連棟タイプ
2世帯が隣り合った2軒の家に住み、防火扉やベランダを通じて交流する。

ポイント

息子と娘、どちらと同居するかで、キッチンの数を変える
息子夫婦との同居の場合、それぞれの世帯の主婦が気兼ねなくキッチンに立ち、自分のペースで料理ができるようにキッチンを上下2つ設置した方がよいでしょう。また娘夫婦と同居する場合は、キッチンは共同にし、親子2人が協力し合って家事がこなせるようなスタイルが理想的です。

玄関を二つ設置するメリット
2世帯住宅の場合、割増融資や親子リレー返済などの融資が受けられます。例えば住宅金融公庫で融資を受ける場合、基本的に玄関が二つあるタイプではそれぞれの所有区分に別々の融資が受けられます。また長期の親子リレー返済もできます。また玄関が一つの場合も、いくつかの条件を満たしていれば2世帯割増融資などが受けられます。融資の申し込みについては、都道府県の金融機関の窓口にご相談下さい。また、当工務店で、お世話いたします。

音に配慮し、間取り・床材を工夫する
親世帯の寝室の上にあたる空間に、リビングや子供部屋を配置するのは避けた方がよいでしょう。できれば親世帯の寝室の上には、納戸かクローゼットを配置します。またスペース的に余裕がない時は、2階の床材に防音フローリングやコルクフロアを取り入れる、下地に防音シートを敷くなど、防音対策をしっかりと行うことが必要です。

60代

心地よく過ごすための考慮が必要になる年代です。

2000年4月からはじまった介護保険制度では、住宅のバリアフリー化を推進するために、住宅改修費が20万円を限度に支給されるようになりました。 以下の6項目が適用されるリフォームです。

●手すりの取り付け(トイレ・浴室・廊下・玄関など)
●床段差の解消(トイレ・浴室・寝室・廊下・玄関など)
●すべり防止や移動を円滑にするための床材の取り替え
●ドアを引き戸などにする
●洋式トイレにする
●以上の工事を行うために、必要とされるその他の工事

※メーカーにより、介護保険の適用商品などもありますので、リフォーム前にきちんと確認しておくことが大切です。

ポイント

介護保険を活用して、水まわりを中心にリフォームしましょう。介護をするにあたって最も改修が必要となるのは、トイレや浴室などの水まわりです。手すりの設置はもちろん、間口を広くする、段差をなくすなどのリフォームを中心に行います。介護保険からサービスを受けるためには、介護認定が必要になります。介護認定を受けるためには、介護を受ける本人か、家族が各自治体の介護保険課に申請し、何段階かの審査ののち介護認定が出されます。
空いたスペースをトイレに
寝室からトイレが遠いと、介護する側もされる側も不安です。そこで寝室の押し入れスペースなどを、思いきってトイレにしてみるのはいかがでしょうか。車椅子対応のトイレを設置すれば、介護なしでトイレに行くことも可能と思われます。
浴室の改装
介護における入浴は、介護される側はもちろんのこと、介護する側も動きやすい環境・設備を整えておきたいものです。車イスのままシャワーを浴びることのできる間取りや、浴槽はいったん腰を下ろせるスペースのあるタイプのものを選びましょう。
車椅子での移動
トイレや浴室に入る際、出入口に段差があるとないとでは、格段に介護の手間が変わってきます。リフォームで段差をスロープにし、戸口の幅を広げておけば、車椅子でもスムーズに移動ができるので便利です。
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